
山形の山間地域で活用されてきた、薬草になる植物たち。自生する身近な植物は、ときには薬としてこの土地の人々に寄り添ってきた。受け継がれてきた知恵や薬草にまつわる記憶を聞き歩き、命のかたちとして彫り込んだ木版画。
●トチバニンジン
肘折の宿の女将さんは数種類の薬酒を日々の楽しみのひとつとして作っている。温泉に浸かったあと、フシニンジン酒を一杯ひっかけさせてもらった。苦くて、少しだけ飲むくらいがちょうど良いものだった。さらに体がぽかぽかと温まってくる。大鳥ではこれをトチバニンジンと呼ぶ。栃の木の葉っぱによく似ているからだそうだ。
素材:紙、木版、手彩色
サイズ:A4
制作年:2020年